MODULATED CAVE

MODULATED CAVE - 世界のささやき×世界のまばたきについて

実施日:2022 年11 月9 日(水)・11 月10 日(木)・11 月11 日(金)
上映時間:19 時会場 19 時30 分開演
主催:Modulation 8
会場:CAVE-AYUMIGALLERY(東京都新宿区矢来町114 高橋ビルB2)
入場料:2,500 円
入場者数:50 名(有料入場者数:35 名)
制作物:チラシ(二つ折・205×182mm)/デザイン:山田洋一

開催趣旨
新型コロナウイルス感染症の世界的流行は、人々の様々な活動に影響を及ぼし、芸術文化もその例にもれず、全てのジャンルの表現者がその影響を受けている。写真家にとっては撮影行為も展示活動が、音楽家にとっては制作活動も演奏活動が困難になり、厳しい状況が続いている。Modulation 8 は、この状況を敢えて受け入れ、新しい表現活動のために音楽と映像を邂逅させるべく「MODULATED CAVE - 世界のささやき×世界のまばたき」を企画した。

タイムテーブル
■11 月9 日 (水)
演奏 : 岡田拓郎 + duenn
映像 : 小松浩子 Silent Sound(2020、15 分16 秒)
金村修 Z-Trash Diary 2021(2022、1 時間8 分54 秒)


■11 月10 日(木)
演奏 : Koji Nakamura + フルカワミキ
映像 : 小松浩子 人格的自律処理(2017、10 分5 秒)生体価格保証(2019、7 分28 秒)
金村修 Topless Beaver Drive(2019、11 分47 秒)
Cattle Mutilation(2019、12 分34 秒)
Aseptic Room Service(2019、11 分45 秒)
Physical Psycho Education(2019、9 分48 秒)


■11 月11 日(金)
演奏 : 大谷能生
映像 : 小松浩子 Slide Show(2019、8 分18 秒)
金村修 Success Steroid(2022、21 分58 秒)
Sexual Gas Mask Healing(2022、21 分31 秒)


公演形態
タイムテーブルに記載した映像作品を記載順に各日上映した。それぞれの演奏家には映像作品の総時間のみを伝えておき、その時間内で即興演奏を依頼した。ギャラリーの壁を背に演奏者が立っており、その壁いっぱいに映像作品をプロジェクションして公演は行われた。演奏者は映像自体を見ることはできず、正面からのプロジェクションの明滅を感じながら音を即興で奏でてゆく。
この形式は、Modulation 8 の活動方針に掲げられている項目「時間軸映像と空間軸映像」をふまえるならば、上映した映像作品自体は「時間軸映像」として制作されているが、この公演プログラムとしての展示空間における音の提示は「空間軸映像」を参照して探求されたということになる。このような方法は、「音楽」と「映像」をそれぞれの中心とするふたつの円がせめぎあい、無限の可能性が開かれることになるだろう。


総括
Modulation 8 による初めての公演として、十分な成功を収めたといえる。企画から開催まで短期間であり、十分な広報が展開できた訳ではないが、3 日とも熱心な観客が来場し、公演に対する反応は非常によかったと言える。このような趣旨の公演が極めて稀であることがその要因のひとつであることをふまえるならば、Modulation 8 による公演は、映像表現と他分野との積極的な交流をはかる上で、大きな意義があることが確認できた。
また本公演は文化庁による助成「ARTS for the future! 2」に採択され実施された。既存の空間以外での演奏という点や異ジャンルの融合という点で、また主催者、出品作家、鑑賞者による双方向の交流の機会として、十分な機能を果たし、長期にわたるコロナ禍により甚大な影響を受けた文化芸術活動の再興に貢献できたと考える。以上、今回の成果と反省をふまえ、Modulation 8 は、今後も、さらに充実したプログラムの実現をめざして活動を続ける。

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